25 (じょう)蓮寺(れんじ)阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)

 

 東裏館(ひがしうらだて)1丁目にある乗蓮寺(じょうれんじ)本尊(ほんぞん)木造(もくぞう)阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)国指定(くにしてい)重要(じゅうよう)文化財(ぶんかざい)です。本尊(ほんぞん)というのは、お寺の中心(ちゅうしん)にあって、みんながお(まい)りする(もっと)大切(たいせつ)仏像(ぶつぞう)(ほとけ)(さま))のことです。阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)阿弥陀(あみだ)(さま)とも言い、(なや)んだり、(くる)しんだりしている(ひと)たちを(たす)けたり(すく)ったりしてくださる(ほとけ)(さま)と言われています。

 (じょう)蓮寺(れんじ)阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)は、三条市(さんじょうし)ではただ一つの国指定(くにしてい)重要(じゅうよう)文化財(ぶんかざい)でもあります。全体(ぜんたい)(くろ)ずんでいて時代(じだい)の古さと気品(きひん)が感じられます。(いま)から700年近く前の鎌倉(かまくら)時代(じだい)の終わりころに作られた仏像(ぶつぞう)ではないかと言われています。国宝(こくほう)指定(してい)されたのは大正(たいしょう)15年(1926)ですが、昭和(しょうわ)25年(1950)に、文化財(ぶんかざい)保護法(ほごほう)という法律(ほうりつ)によって、(くに)指定(してい)重要(じゅうよう)文化財(ぶんかざい)となったものです。

 重要文化財(ぶんかざい)というのは、芸術的(げいじゅつてき)にも歴史的(れきしてき)にも非常(ひじょう)価値(かち)が高いすぐれた建造物(けんぞうぶつ)絵画(かいが)・ちょうこくや古い記録(きろく)などのことで、(じょう)蓮寺(れんじ)阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)はちょうこくの()に入っています。では、どうして乗蓮寺(じょうれんじ)にこのようなすぐれた仏像(ぶつぞう)があるのでしょうか。くわしいことは分かりませんが、(じょう)蓮寺(れんじ)徳治(とくじ)2年(1307)に創建(そうけん)されたと言われ、はじめは()(ごろ)地区(ちく)にあったのが、(のち)現在(げんざい)東裏館(ひがしうらだて)(うつ)ってきたということです。

 (じょう)蓮寺(れんじ)は、三条市内(さんじょうしない)ではただ一つの時宗(じしゅう)という宗派(しゅうは)です。時宗(じしゅう)一遍(いっぺん)という(ひと)開祖(かいそ)で、熊野(くまの)(しん)こう(和歌山県(わかやまけん)地方(ちほう)の古い(しん)こう)に関係(かんけい)があり、裏館(うらだて)熊野(くまの)地方(ちほう)と何か関係(かんけい)がありそうだとも言われています。知っているのは乗蓮寺(じょうれんじ)阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)だけかもしれませんね。(平成(へいせい)7年2月)